内部通報窓口の設置を検討されている経営者様へ

パワーハラスメント(パワハラ)やセクシャルハラスメント(セクハラ)による自殺をはじめ職場の人間関係による事件や訴訟などの報道を目にする機会が増えています。厚生労働省の調査でも、労働相談の中で「いじめや嫌がらせ」に関する相談数が7200件と急増しており、解雇や退職などの相談の大きく上回り、約2倍にまで至っているほどです (※1)。
以前のような新卒一括採用・終身雇用を前提とした男性中心の職場と違い、現在は人材の流動化が進み、多様な人々が働いておりパワハラ・セクハラ等のハラスメントが表面化しやすい職場環境になってきていると言えます。
このような中で、セクハラや妊娠・出産等に関するハラスメント(いわゆるマタハラ)の防止措置に関しては男女雇用機会均等法により相談窓口の設置が義務付けられていたところですが、2019年5月29日に改正労働施策総合推進法が成立し、いわゆるパワハラについても2020年6月1日にはパワハラ防止に向けた対策が義務化されます 。
また、企業のコンプライアンス経営を実現する上では、単に法令を遵守すればいいというものではなく、 ステークホルダーの信頼を得ることが重要です。法律に明らかに違反している場合はもちろん、法令違反ではないがステークホルダーの信頼を失う行為は、コンプライアンス違反をしている企業と言われてもやむをえません。
そして、ステークホルダーには株主・顧客・取引相手・地域社会の利害関係者はもちろん、従業員も含まれていることを忘れてはいけません。
ある者の行為が他の従業員の業務の集中を妨害すればコンプライアンス違反になる可能性があります。働きやすい職場環境があってはじめて、社員は会社を信頼して安心して働けるのです。
このように、今やハラスメント問題は、行為者・被害者間の人間関係によるものとして片付けることはできません。今後は企業としてハラスメントを発生させない積極的な取り組みが求められます。特に、ハラスメント等を許さないとの企業方針の明確化、社内規定の作成、就業規則や懲戒規定等の整備・見直し、実効性のある社内研修
(管理者向けやコミュニケーションスキルなど)や情報発信等の実施、被害者が相談しやすい外部機関の相談窓口の設置など、企業の実情に沿った実施が必要です。
中小企業の場合、異動等によりパワハラ行為者と被害者を引き離すことが困難な場合もあります。また相談窓口といっても、社内だけでは対応に限界があるのも事実でしょう。しかしながら、パワハラ等による従業員の休職や退職、職場環境の悪化は、企業の業績や新規採用等にも大きく影響しますので、外部専門家に相談しながら、早めに実施することが重要と言えます。
ハラスメント防止措置として取り組まなければならない事項は、極めて広汎に及びますが、何よりも重要なことは、まずは法務面から基礎をしっかりと対策をすることです。
たきざわ法律事務所では、ハラスメント防止措置及び内部通報窓口の設置・運営に関して法律面・経営面からサポートしており、この度、皆さまの会社において、どれだけコンプライアンス強化に配慮した経営ができているかをチェックするため、「ハラスメント対策チェックリスト」を作成しました。是非、チェックして、ご自身の会社のハラスメントリスクを確認してみてください。
まずはハラスメントリスクAI診断で貴社のリクスチェック!
※1平成29年度個別労働紛争解決制度の運用状況参照。
更新情報・お知らせ
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- 2020/6/08
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- 2020/4/14
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- 2020/3/25
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- 2020/3/3
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- 2019/12/27
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- 2019/11/30
- 内部通報窓口設置に関するセミナーを開催いたします